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人的資本経営が注目される背景とは

人的資本経営が注目される背景とは

人的資本経営とは

人的資本経営は、直訳すると「人の資本(知識やスキル、経験など)を経営の中心に据える」という経営スタイルを指します。従業員一人ひとりの知識やスキルを高め、それを組織全体の力に変えることで、経済活動における付加価値を高めていきます。
人的資本とは大きく分けて、教育や研修により得られる「形式的な資本」と、仕事を通じて身につけられる「経験的な資本」の二つからなります。これらを最大限に生かすには、人材教育や働き方改革、キャリア形成支援などの施策が必要となってきます。人的資本経営は、そのような視点から人材を活用する経営スタイルなのです。

人的資本経営が注目されている背景

近年、人的資本経営が注目されるようになった背景にはいくつかの要因があります。
まず一つ目は、社会の情報化により知識やスキルが企業の競争力を左右するようになったということ。従来の物的資本による生産力から、知識やスキルによる生産力が重要視されるようになりました。
二つ目は、働き方改革により多様な働き方が可能となり、個々の能力やスキルを最大限に活用する場が増えているということです。これにより、組織全体としての柔軟性や対応力が求められるようになりました。
そして三つ目は、長寿社会による労働人口の減少です。組織の成長を続けるためには、少ない人数でも高いパフォーマンスを発揮する必要があります。これらの要因から、人を中心に据えた経営手法である人的資本経営が注目されているのです。

日本でも人的資本開示が義務化

人的資本に関する世界的な動向の一環として、2020年8月に米国証券取引委員会が上場企業に対して人的資本に関する情報開示を要請しています。
同様の取り組みが各国で進展しており、日本でも上場企業に人的資本の開示が義務付けられています。(令和5年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用)

人的資本経営のメリットとは?

人的資本経営とは、企業の最も重要なアセットである「人」を重視し、その能力を最大限に引き出すための経営戦略です。従業員一人ひとりが持つ知識や技術、思考力を経営資源として活用し、その資源を成長の源泉とする経営手法です。そのメリットは多岐に渡りますが、ここでは主に生産性向上、従業員満足度と組織力の向上、企業イメージの向上と潜在的なリスクの回避について解説していきます。

生産性向上の効果

人的資本経営を実施することで、まず最初に期待できるメリットは生産性の向上です。これは、従業員のスキルや能力を最大限に活用し、そのパフォーマンスを引き出すことで実現します。例えば、各社員の専門性を尊重し、その強みを生かすポジションに配属することで、パフォーマンスが向上し、結果として企業全体の生産性が上昇します。加えて、スキルアップを推奨する環境を作り出すことで、社員の成長を促進し、それがさらなる生産性向上につながるのです。

従業員満足度と組織力の向上

次に、人的資本経営は従業員満足度と組織力の向上に寄与します。自己の成長や才能を活かすことができる環境は、職場満足度を高める要素の一つです。更に、企業が従業員一人ひとりの能力や価値を認識し、それを活用しようとする姿勢は、従業員のモチベーション向上を促進します。これにより、組織内のコミュニケーションが活性化し、組織の一体感を高めることも可能になります。このように、人的資本経営は、満足度と組織力の両面から従業員のエンゲージメントを高める効果があります。

企業イメージの向上と潜在的なリスクの回避

最後に、人的資本経営は企業イメージの向上と潜在的なリスクの回避に繋がります。従業員を大切にし、その能力を活用する企業は、社会的な評価が高まり、企業イメージが向上します。その結果、優秀な人材を惹きつける魅力的な職場となります。また、人的資本経営の一環として、従業員の健康やメンタルのケアに配慮することで、労働環境に起因するリスクを回避することが可能になります。これらは企業の社会的信頼を保ち、長期的な経営安定に寄与するのです。

以上が、人的資本経営がいま注目される背景と、企業にもたらすメリットです。今後必要とされる人的資本経営に関して、早期に取り組みを始めることで、スムーズな組織成長を期待することができます。

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