全国自治体広報力ランキング
2025年度版
発行:株式会社シオン
発表日:2026年5月21日
集計対象期間:2025年4月1日 〜 2026年3月31日
調査対象:全67自治体(47都道府県及び20政令指定都市)

目次

CHAPTER I
ランキング概要
RANKING OVERVIEW
本書全体の評価設計・主要結果・型分類分布を一望できる、第1部です。全国67自治体を対象に、4軸(発信力・波及力・PR TIMES・SNS)で構築した本書の基本構造を、最初にお示しします。
PART 01
CHAPTER I · 1-1

1-1 本ランキングの目的

本ランキングは、全国67自治体(47都道府県及び20政令指定都市)の広報活動を、4軸(発信力・波及力・PR TIMES・SNS)に基づき定量的にとらえることを目的としています。

既存の自治体ランキングが「印象」(消費者アンケート方式)や「住みよさ」(統計集計方式)を主な測定対象とされてきたなかで、本ランキングでは自治体ご自身の「発信実行」に着目させていただきました。

2025年4月から2026年3月までの1年間に、全国67自治体から取得した公式リリースは弊社測定で80,431リリース、関連メディア報道・PR TIMES配信・X公式投稿を含めると合計約32万件弱(316,704件)の情報を集計させていただきました。

加えて、生成AI(※)が情報源としてAI検索を実施、または集積データとして参照する際の「AIO/LLMO適性(生成AI観測可能性)」を構造的に分析する補正係数を導入しております。生成AIによる情報流通が本格化する2026年以降の広報力可視化指標として、本ランキングを設計させていただきました。

なお本調査では、目視確認に加えて各種生成AIサービスを活用することで、これまで困難であった全67自治体規模での横断的な可視化を目指しました。最終確認(特にPR TIMES配信実績や各種SNS発信実績の確認等)は、各サービスの利用規約に則り、目視確認を行っております。

※ ChatGPT・Perplexity・Claude等、2026年5月時点での主要な生成AI・検索サービスを想定。

CHAPTER I · 1-2

1-2 4軸構成と重み配分

重み評価対象
発信力40%公式リリース総数(log10人口補正、AIO/LLMO観測可能性補正0.7適用3県あり)
波及力30%第三者メディア波及(14カテゴリ別係数の合算)
PR TIMES15%配信プラットフォーム活用度(P4方式:log10(投稿数+1)÷log10(人口))
SNS15%新投稿数20%/いいね25%/リポスト35%/フォロワー20%の4要素加重平均
CHAPTER I · 1-3

1-3 統合首位

都道府県:東京都(統合偏差値 68.25突出型

発信力波及力PR TIMESSNS
68.1871.6765.4164.44

4軸すべての偏差値が60を超えている対象62自治体中で唯一確認された自治体。

政令指定都市:神戸市(統合偏差値 63.16突出型

発信力波及力PR TIMESSNS
61.4563.8654.3475.17

SNS偏差値75.17は本書集計範囲における最高水準。

CHAPTER I · 1-4

1-4 型分類分布

対象62自治体(43都道府県+19政令指定都市)を4軸偏差値の構成パターンにより4型に分類しました。

件数構成条件
突出型51軸が偏差値70+
バランス型74軸中3軸が偏差値55+
安定型17総じてバランスのとれた広報運営
広報多様化フェーズ334軸中1軸が偏差値40未満

最も多いのは「広報多様化フェーズ」の33自治体です。これは4軸のうち1軸以上で偏差値40未満となっている自治体で、特定の軸への取り組みを通じて、より多面的な広報展開へと進化される余地があると見られます。

「突出型」は1軸が偏差値70以上の高い水準を示されている自治体です。「バランス型」は4軸中3軸以上で偏差値55+を維持されている自治体、「安定型」は総じてバランスのとれた広報運営をされている自治体です。

各型に優劣はなく、いずれも自治体ご自身の広報戦略の特徴を表しているものと、弊社では考えております。


CHAPTER II
評価設計の哲学
EVALUATION PHILOSOPHY
本書は既存の「印象」評価の隣に、自治体ご自身の「発信実行」という新しい視座を加える試みです。なぜ4つの軸を選んだのか、なぜ「全数主義」を採用したのか、本書の根底にある考えをお伝えします。
PART 02
CHAPTER II · 2-1

2-1 「印象」から「実行」へ

自治体広報を取り巻く既存のランキングとして、株式会社ブランド総合研究所「都道府県魅力度ランキング」、東洋経済新報社「住みよさランキング」が広く知られております。前者は消費者の「印象」を、後者は各種統計データから導かれる「住みよさ」を測定しており、いずれも長年にわたり自治体広報の重要な指標として機能してきました。両ランキングが築き上げてきた知見と社会的役割に、弊社として深い敬意を表します。

本ランキングは、これらに代わるものではなく、その隣に新たな視座を加える試みです。「印象」「住みよさ」という主に外側からの評価軸に対し、本ランキングは自治体ご自身の「発信実行」、すなわち自治体が何を、どのように、どれだけ発信されたかを定量的にとらえる設計を採用しました。

両方の視座が揃ってはじめて、自治体広報の全体像が見えてくるものと、弊社では考えております。

CHAPTER II · 2-2

2-2 4軸の選定理由

本ランキングは、自治体ご自身の「発信実行」を4つの軸から構造的にとらえる設計を採用しました。

発信力(重み40%)

自治体公式サイトから発信されたリリースの総数を、人口規模による有利不利を可能なかぎり調整したうえで算出しております。人口の異なる自治体を共通の基準で比較するため、人口対数による補正を採用しました。

波及力(重み30%)

発信された情報がどれだけ第三者メディアに記事化され、社会的に届けられたかを測ります。新聞・TV・通信社・地方紙・ウェブメディアなど14のメディア種別ごとに重み付けを行った合算指標として設計いたしました。広報効果測定の国際標準であるAMECバルセロナ原則 4.0に準拠し、広告換算値(AVE)は使用しておりません

PR TIMES(重み15%)

配信プラットフォームPR TIMESの活用度を、自治体本体(県庁・市役所)名義の主要アカウント1件あたりの投稿数を、人口規模で調整したうえで算出しております。部署別アカウントや関連団体アカウントは集計対象外といたしました。

PR TIMESは、PR業界において広く活用されている配信プラットフォームであり、多くの広報部門にとって、日常的な広報活動の基盤となっております。さらに近年では、生成AIが情報源としてAI検索を実施、または集積データとして参照する際の報道インフラとしての位置づけが確立されています。

SNS(重み15%)

各自治体のX公式アカウントを中心とした自治体発SNS発信について、新投稿数(20%)・いいね数(25%)・リポスト数(35%)・フォロワー数(20%)の4要素を加重平均した統合偏差値としました。

SNSは、生活者との直接的なコミュニケーション基盤として、自治体広報においても日常的な発信手段のひとつとして定着しております。さらに近年では、災害時の情報発信や政策周知の場として、その役割の重要性が増しています。

重み配分について

発信力40%・波及力30%・PR TIMES15%・SNS15%という重み配分は、自治体広報における「発信の意志」(発信力)と「届いた結果」(波及力)を主軸とし、これを補完する2つの軸として配信プラットフォーム活用とSNS到達を加える設計といたしました。

(4軸それぞれの算式・補正・係数の各詳細は、第4部 メソドロジーをご参照ください)

CHAPTER II · 2-3

2-3 「全数主義」と「下位への敬意」

本ランキングは、分析対象とした67自治体について順位を非公開とせず、すべて公開する設計を採用しました。これを「全数主義」と呼んでおります。

順位の上位・下位を問わず、各自治体の発信実行はそれぞれの地域特性・人口規模・組織体制・歴史的経緯のなかで積み重ねられた結果であり、その背景には数値だけでは見えない判断と運営があるものと、弊社では受け止めており、かつ最大の敬意を払っております。

特に結果として数値の低い側に位置する自治体について、本ランキングは「広報力が低い」と断じる立場をとっておりません。4軸のうち取得可能であった指標と、そのなかでの偏差値分布が、結果として現れているものであり、自治体ご自身の取り組みの本質を言い表すものではないと考えております。

また、本調査の手法的制約により本ランキング外とさせていただいた5自治体(福島県・岩手県・奈良県・札幌市・広島県)についても、その広報活動を否定するものではなく、各関係者との対話や今後の手法改善により、組み込みを目指してまいります。


CHAPTER III
結果(全順位)
RESULTS
67自治体すべての統合偏差値・4軸別偏差値・型分類を全件公開いたします。43都道府県・19政令指定都市・対象外5自治体、さらに4軸別TOP10を、それぞれの表で確認いただけます。
PART 03
CHAPTER III · 3-1

3-1 都道府県43位 統合順位

順位自治体統合偏差値発信力波及力PR TIMESSNS型分類
1東京都68.2568.1871.6765.4164.44突出型
2鳥取県61.3260.6663.3359.3561.01バランス型
3石川県60.8362.6255.7258.6268.48バランス型
4大阪府59.1961.7058.5539.7373.21突出型
5福井県59.1051.1984.2543.1745.86突出型
6静岡県58.8646.1977.5161.4952.69突出型
7富山県58.3261.0361.0753.2150.66安定型
8兵庫県56.8059.8861.1539.7356.98広報多様化フェーズ
9島根県56.6959.1858.1062.5441.40バランス型
10山口県56.3562.2058.5946.3546.28安定型
11山形県56.2457.0854.1755.9158.50バランス型
12北海道55.5954.2353.2963.9755.42安定型
13宮崎県53.2854.8351.3258.5047.86安定型
14青森県52.4056.3556.1639.7347.04広報多様化フェーズ
15香川県50.9852.5252.6948.4945.91安定型
16岐阜県50.7653.7455.0339.7345.27広報多様化フェーズ
17埼玉県50.7448.9347.4061.8351.17安定型
18長崎県50.4952.8352.1739.7351.63広報多様化フェーズ
19群馬県49.8451.8649.7842.9551.44安定型
20高知県48.8949.1050.5139.7354.28広報多様化フェーズ
21茨城県48.7647.6548.4939.7361.30広報多様化フェーズ
22和歌山県48.4542.6862.3139.7344.83広報多様化フェーズ
23栃木県48.3751.4546.8239.7351.88広報多様化フェーズ
24三重県48.3253.9247.1839.7344.30広報多様化フェーズ
25神奈川県48.3144.9747.0261.6746.42安定型
26岡山県47.6345.8247.5056.0144.34安定型
27滋賀県46.2147.1547.4439.7347.70広報多様化フェーズ
28山梨県45.5239.8239.4262.4555.99広報多様化フェーズ
29長野県45.4945.7244.9439.7351.71広報多様化フェーズ
30佐賀県45.2742.3445.0557.4741.34安定型
31千葉県43.7544.2742.8839.7348.16広報多様化フェーズ
32徳島県43.7437.1337.1261.6356.71広報多様化フェーズ
33愛知県43.6645.3343.8939.7342.67広報多様化フェーズ
34新潟県43.4443.9541.8439.7348.98広報多様化フェーズ
35京都府42.7236.9437.9560.0950.29広報多様化フェーズ
36熊本県40.3236.0736.1756.8943.40広報多様化フェーズ
37宮城県39.7439.2539.0039.7342.56広報多様化フェーズ
38愛媛県39.3738.3439.0439.7342.41広報多様化フェーズ
39秋田県39.1337.4737.2739.7346.65広報多様化フェーズ
40福岡県38.9036.5637.2039.7347.73広報多様化フェーズ
41大分県38.5736.0036.1343.0745.79広報多様化フェーズ
42鹿児島県37.9936.8536.6339.7342.03広報多様化フェーズ
43沖縄県37.5635.9836.2039.7342.37広報多様化フェーズ
CHAPTER III · 3-2

3-2 政令指定都市19位 統合順位

順位自治体統合偏差値発信力波及力PR TIMESSNS型分類
1神戸市63.1661.4563.8654.3475.17突出型
2京都市61.6469.5359.2155.8551.21バランス型
3北九州市59.4358.8360.7965.2052.56バランス型
4横浜市57.8757.1755.9763.8057.62バランス型
5岡山市55.3660.2952.9457.8744.55安定型
6名古屋市54.3962.1453.4544.7745.23安定型
7川崎市52.6452.1548.4962.4152.46安定型
8福岡市52.0452.7855.7839.7354.91広報多様化フェーズ
9さいたま市51.5249.0549.0963.1351.35安定型
10大阪市50.6055.2849.1839.7351.84広報多様化フェーズ
11静岡市48.6450.4751.8139.7346.35広報多様化フェーズ
12相模原市46.8543.0946.5663.7740.55安定型
13新潟市46.1442.9546.6859.1540.57安定型
14広島市45.9047.5945.2839.7348.79広報多様化フェーズ
15堺市45.0540.6843.5860.3544.37安定型
16熊本市44.5337.7743.8758.3450.10広報多様化フェーズ
17千葉市43.4742.0945.3239.7347.21広報多様化フェーズ
18仙台市41.0135.1440.4958.5640.11広報多様化フェーズ
19浜松市39.6031.5637.7158.4945.94広報多様化フェーズ
CHAPTER III · 3-3

3-3 特別参考値・参考値・対象外

区分自治体区分備考
都道府県福島県特別参考値データご提供を賜りましたが、本年度の順位化には至らず
都道府県岩手県参考値ご当局のご意向によりデータ提供を辞退
都道府県奈良県特別参考値データご提供を賜りましたが、本年度の順位化には至らず
都道府県広島県対象外ご当局のご意向を尊重し、本年度は本ランキング対象外
政令指定都市札幌市参考値ご当局のご意向によりデータ提供を辞退
CHAPTER III · 3-4

3-4 発信力 TOP10

都道府県

順位自治体リリース数発信力偏差値
1東京都3,42468.18
2石川県2,40262.62
3山口県2,39162.20
4大阪府2,66361.70
5富山県2,24561.03
6鳥取県2,11060.66
7兵庫県2,40159.88
8島根県2,01559.18
9山形県1,89757.08
10青森県1,85256.35

政令指定都市

順位自治体リリース数発信力偏差値
1京都市2,37369.53
2名古屋市1,99462.14
3神戸市1,89561.45
4岡山市1,73060.29
5北九州市1,67758.83
6横浜市1,74357.17
7大阪市1,58955.28
8福岡市1,38252.78
9川崎市1,33952.15
10静岡市1,16750.47
CHAPTER III · 3-5

3-5 波及力 TOP10

都道府県

順位自治体波及力スコア波及力偏差値
1福井県14,19884.25
2静岡県12,21077.51
3東京都10,48871.67
4鳥取県8,02663.33
5和歌山県7,72562.31
6兵庫県7,38361.15
7富山県7,36061.07
8山口県6,62858.59
9大阪府6,61558.55
10島根県6,48358.10

政令指定都市

順位自治体波及力スコア波及力偏差値
1神戸市8,18463.86
2北九州市7,27760.79
3京都市6,81159.21
4横浜市5,85455.97
5福岡市5,79855.78
6名古屋市5,11153.45
7岡山市4,96152.94
8静岡市4,62851.81
9大阪市3,85049.18
10さいたま市3,82549.09
CHAPTER III · 3-6

3-6 PR TIMES TOP10

都道府県

順位自治体投稿数偏差値
1東京都53365.41
2北海道26163.97
3島根県9362.54
4山梨県9862.45
5埼玉県17961.83
6神奈川県18661.67
7徳島県7961.63
8静岡県13161.49
9京都府8660.09
10鳥取県4659.35

政令指定都市

順位自治体投稿数偏差値
1北九州市18065.20
2横浜市22463.80
3相模原市12363.77
4さいたま市13463.13
5川崎市12162.41
6堺市6460.35
7新潟市4959.15
8仙台市4858.56
9浜松市4358.49
10熊本市4158.34
CHAPTER III · 3-7

3-7 SNS TOP10

都道府県

順位自治体SNS偏差値新投稿数いいねリポストフォロワー
1大阪府73.211,270359,07947,96986,142
2石川県68.48963151,14166,86760,825
3東京都64.441,00637,06812,226969,805
4茨城県61.301,546108,07128,443202,142
5鳥取県61.012,743104,27419,00943,753
6山形県58.501,21594,03227,612160,038
7兵庫県56.981,243108,39523,29895,203
8徳島県56.711,75798,74620,25220,747
9山梨県55.99529115,22734,29618,838
10北海道55.421,00060,91126,474122,653

政令指定都市

順位自治体SNS偏差値新投稿数いいねリポストフォロワー
1神戸市75.171,373330,17058,22382,285
2横浜市57.62740106,19429,782161,823
3福岡市54.911,49366,99817,76793,930
4北九州市52.561,24265,97116,01943,282
5川崎市52.461,25770,69614,19252,181
6大阪市51.8487962,35217,86969,099
7さいたま市51.351,54123,79910,77879,894
8京都市51.211,22147,43213,72947,008
9熊本市50.101,10338,23112,22955,025
10広島市48.791,00130,58710,92939,739

CHAPTER IV
メソドロジー詳細
METHODOLOGY
4軸の算出式・補正係数・統合方法・型分類の判定ロジックを、本章で詳細に開示いたします。AMECバルセロナ原則4.0準拠の設計思想、log10人口補正、AIO/LLMO観測可能性補正の考え方を含みます。
PART 04
CHAPTER IV · 4-1

4-1 集計対象

CHAPTER IV · 4-2

4-2 発信力(重み40%)

算式

人口補正値 = リリース数 ÷ log10(人口)
偏差値(補正前)= (人口補正値 − μ) ÷ σ × 10 + 50  ※対象62自治体で偏差値化
発信力偏差値 = 補正前偏差値 × 補正係数
補正係数:福井県・静岡県・和歌山県は 0.7、その他は 1.0

※μ=対象62自治体の平均、σ=標準偏差。一般的な統計偏差値の算出式に則っております。

発信力の考え方

発信力は、各自治体が公式サイトで発信されたプレスリリースの「総数」を尊重しております。リリースの記事内容や注目度の高低を問わず、自治体が住民に向けて発信されたすべての公式リリースを対象として弊社測定で集計いたしました。

これは「広報部門として自治体の住民へ発信を続けることそのものに価値がある」という弊社の考えに基づきます。一つひとつの記事の情報価値の有無ではなく、発信を継続されているご担当者の取り組みそのものを尊重するため、本軸では全リリースを母数としております。

人口補正(log10方式)

発信力では「自治体の規模差」をなだらかに調整するため、リリース数を人口の常用対数(log10)で割っております。

人口を単純に分母とする方式(リリース数 ÷ 人口)では、人口最小の自治体が極端な外れ値として現れ、対象62自治体内での比較が困難となります。一方、補正を一切かけない方式では、東京都(人口約1,396万人)が機械的に常時首位となり、自治体ご担当者の発信努力が順位に反映されません。

log10方式は、人口10万人と100万人の差を「10倍」ではなく「1段階」として扱う手法であり、都市規模研究や経済地理学において広く用いられる標準的な補正方式です。「規模」と「発信努力」を両立して可視化することを目的としております。

AIO/LLMO観測可能性補正(×0.7、3県適用)

公式サイトの構造的特性により、弊社の技術力ではAIエージェントが情報を十分に読み取れない状態にある3県(福井県・静岡県・和歌山県)については、発信力偏差値に補正係数0.7を適用いたしました。より高度な技術であれば取得できた可能性はございますが、本ランキングは弊社測定の範囲においてこの判断を採用しております。

補正係数を0.7とした根拠は、機械的データ取得の制約に関する業界知見との整合に基づきます。たとえばSEO業界において、PDFのクリックスルー率はHTML比で30〜40%低下するという経験則が知られており、こうした「機械的取得においておおむね3割が届かない」という保守的見積もりを補正値として採用しております。

なお、対象3県の構造事由はそれぞれ異なります。本ランキングでは共通の補正係数0.7を統一的に適用しております。

CHAPTER IV · 4-3

4-3 波及力(重み30%)

波及力の考え方

波及力は、各自治体の発信が第三者メディアにどの程度報道されたかを弊社測定で集計した結果です。発信力(第4部 4-2)が「発信した量」を尊重する軸であるのに対し、波及力は「発信が社会にどう届いたか」を尊重する軸として設計しております。

本軸の特徴は、AMEC(国際広報協会)バルセロナ原則4.0に準拠している点にございます。

AMECバルセロナ原則4.0との整合

AMEC(Association for the Measurement and Evaluation of Communication、国際広報協会)は、PR・広報領域における国際的な効果測定基準を策定する国際機関であり、2010年に「バルセロナ原則」を制定、2015年に第2版、2020年に第3版、2025年に第4版へと改訂されました。本原則は、世界各国のPR業界・広報部門・コミュニケーション研究において広く参照されております。

バルセロナ原則4.0の核心は、以下の二点に集約されます。

①AVE(広告換算値)を使用しない

従来のPR測定で広く用いられてきた「広告換算値」は、メディア掲載を広告料金で換算する手法ですが、報道の質的価値や読者・視聴者への影響を測定できないため、本原則では明確に否定されております。

②あらゆる関連チャネルを多元的指標で測定する

単一の指標や単一のメディアではなく、複数のメディアチャネルを横断的に測定し、それぞれに重み付けを行うことで、報道の社会的到達度を多面的に評価する手法を採用しております。バルセロナ原則4.0では、生成AIや新興プラットフォームを含む「あらゆる関連チャネル」を測定対象とすることが明示されております。

本ランキングの波及力軸は、この二原則に厳密に準拠しております。広告換算値は一切使用せず、後述の14カテゴリ別重み係数による合算方式を採用いたしました。

算式

波及力スコア = Σ(各メディアカテゴリのヒット数 × 重み係数)
偏差値 = max(30, (波及力スコア − μ) ÷ σ × 10 + 50)  ※対象62自治体で偏差値化

※μ=対象62自治体の平均、σ=標準偏差 ※下限30:偏差値が30を下回る場合は30に維持

14カテゴリと重み係数

カテゴリ係数カテゴリの定義
全国紙×2.30朝日・毎日・読売・日経・産経等の全国紙オンライン
全国TV×2.30NHK・民放キー局のニュースサイト
通信社×2.30共同通信・時事通信等の通信社配信
ビジネスメディア×2.10日経ビジネス・ダイヤモンド・東洋経済等
地方紙×1.90各地方紙のオンライン版
地方TV×1.80各地方TV局のニュースサイト
大手ポータル(記事)×1.60Yahoo!ニュース等のオリジナル記事
大手ポータル(リリース)×1.40Yahoo!ニュース等のリリース転載
地域ウェブメディア×1.40各地域の独立ウェブメディア
一般ウェブ×1.40上記分類外の一般ウェブメディア
ネットワーク配信×1.35ネットワーク経由の配信記事
まとめ系×1.30NewsPicks等のキュレーション系
観光ポータル×1.20観光情報専門のポータルサイト
その他×1.00上記13カテゴリのいずれにも該当せず、本調査内で全67自治体を横断して1回のみ出現した掲載源

係数は、メディアの社会的影響力・編集判断の関与度・読者層の広さ等を弊社で総合判定し設定しております。

集計対象の選定

波及力の集計対象は、発信力(第4部 4-2)で取得した全リリースのうち、弊社のスコアリング判定でスコア2〜3に分類されたリリース(約42,000件)としております。

スコア判定は生成AIを活用した自動判定で、リリースの社会的注目度・報道波及可能性を4段階(0〜3)で評価したものです。スコア0〜1のリリースは、住民向け告知、各種お知らせ、行政手続き案内、定例情報等、自治体広報として欠かせない情報でありながら、即時報道性が限定的で本軸(メディア波及測定)の対象とは性格の異なる記事であり、集計対象外といたしました。発信力(第4部 4-2)では全リリースを尊重しており、波及力でのみ対象を絞る設計としております。

除外対象

合算波及力の集計においては、以下を除外しております。

「自分の発信が自分のサイトに掲載されているもの」を波及としてカウントすることを避け、第三者メディアによる報道のみを集計することで、客観的な波及度を測定する設計としております。

補足:集計対象に含まれる発信内容について

本軸の集計対象は、自治体ご担当者が発信されたすべてのスコア2〜3のリリースであり、観光振興・イベント告知・政策発表といった通常の広報活動のみならず、災害対応・事件事故への対応・注意喚起など、社会的注目度の高いあらゆる発信が含まれます。

自治体ご担当者の責務には、平時の継続的な情報発信と、有事における迅速かつ的確な情報発信の両方が含まれており、本軸はそのいずれをも区別なく、発信実務の到達点として等しく集計する設計としております。

発信内容の性格そのものを評価するものではなく、発信が第三者メディアへ波及したという事実を集計するものである点を、本軸の前提として申し添えます。

用語について:伝統メディアとメディアリレーション

本書中、自治体の発信が新聞・テレビ・通信社などの従来型報道機関へ到達する構造について言及する箇所において、「伝統メディア」および「メディアリレーション」という業界用語を用いる場合があります。

CHAPTER IV · 4-4

4-4 PR TIMES(重み15%)

PR TIMESの位置づけ

PR TIMESは、配信プラットフォームという枠を超え、日本のPR・広報領域における重要な報道インフラとして機能していると弊社では捉えております。昨今では生成AIの情報収集先としても最重要視されている情報源の一つであると、世に認められていると認識しております。

本ランキングはこの位置づけを尊重し、自治体の配信プラットフォーム活用度を独立した評価軸として測定いたしました。SNSとも公式サイトとも異なる「届け先」を選択肢として持つ広報設計の柔軟性を、本軸で可視化しております。

PR TIMESの本来の価値は、配信投稿そのものに加え、そこから生まれるメディアへの波及にも及びます。ただし、その影響力と波及力の大きさゆえに、現段階の弊社技術力では正確な把握が難しいと判断いたしました。

それでも、PR TIMESの活用が、自治体に限らず現代の広報領域における重要な評価軸の一つを担うことは間違いありません。本軸では、配信投稿数を集計することで、新しい届け先を選択肢として持つ自治体の広報設計の姿勢そのものを尊重し、評価対象といたしました。

集計方法

集計対象は、自治体本体(県庁・市役所)名義の主要アカウント1件のみとしております。部署別アカウントや関連団体(観光協会・外郭団体等)のアカウントは集計対象外です。

集計にあたっては、弊社スタッフによる目視確認で配信件数を確認いたしました。

算式

活用度指標 = log10(投稿数 + 1) ÷ log10(人口)
偏差値 = (活用度指標 − μ) ÷ σ × 10 + 50  ※対象62自治体で偏差値化

※μ=対象62自治体の平均、σ=標準偏差

二段階対数補正の考え方

PR TIMES投稿数は自治体間のばらつきが大きく、弊社での現段階の確認範疇では、533件(東京都)から0件(複数)まで分布いたします。単純な偏差値化では極端な外れ値が生じるため、本軸では投稿数と人口の双方を対数変換する二段階補正方式を採用いたしました。

具体的には、まず投稿数を常用対数で圧縮することで「100件と10件の差」を「桁の差」として相対化し、さらに人口の常用対数で割ることで自治体規模差を調整しております。これにより、人口規模に関わらず「配信プラットフォームへの取り組み度」を公平に測定する設計としております。

PR TIMES投稿0件の自治体については、活用度指標を一律に算定し、偏差値は約40となります。

CHAPTER IV · 4-5

4-5 SNS(重み15%)

SNSの位置づけ

SNSは、現代の自治体広報における「市民との直接的な接点」として機能する重要な届け先です。本軸では、現代自治体広報におけるSNS活用の代表例として、X(旧Twitter)を対象とし、各自治体の公式アカウントにおける1年間の活動を弊社測定で集計いたしました。

なお、Instagram・Facebook・LINE等、X以外の各種SNSプラットフォームについては、本ランキングでは独立した評価軸としての本格集計は行っておりません。ただし、後述の通り、波及力(第4部 4-3)の集計過程で検出された各種SNSへの第三者からの拡散は、本SNS軸の「新投稿数」要素に加算する設計といたしました。

集計方法

集計対象は、自治体本体(県庁・市役所)名義の主要公式Xアカウント1件のみとしております。部署別アカウント、関連団体(観光協会・外郭団体等)のアカウントは集計対象外です。

SNS軸の4要素(新投稿数・いいね数・リポスト数・フォロワー数)は、各自治体のX公式アカウントから2026年4月時点で弊社スタッフによる目視取得した値を基本データといたしました。

加えて、新投稿数については、波及力軸の集計過程で検出された第三者メディアからのSNS拡散(X・Instagram・Facebook・YouTube・TikTok・LINE等の主要SNSプラットフォームへのリンク)と、弊社スタッフによる目視確定分(合計121件)を加算しております。

算式

構成軸偏差値 = (構成値 − μ) ÷ σ × 10 + 50  ※対象62自治体で偏差値化

SNS偏差値 = 0.20 × 新投稿数偏差値
            + 0.25 × いいね数偏差値
            + 0.35 × リポスト数偏差値
            + 0.20 × フォロワー数偏差値

※μ=対象62自治体の平均、σ=標準偏差

4要素加重平均の考え方

SNSの広報力は、単一の指標では捉えきれません。本軸では、性質の異なる4つの指標を組み合わせ、重み付け平均することで、SNS広報の総合力を測定する設計といたしました。

新投稿数(20%):発信の継続性

1年間にどれだけ発信を続けたか。広報活動の地道な継続を反映する基礎指標です。

いいね数(25%):反応の総量

投稿に対する読者の共感・支持の集積です。発信が「読まれている」ことの定量的指標となります。

リポスト数(35%):拡散の到達

最も重み付けの高い指標です。リポストは単なる反応ではなく、読者が「他者に伝える価値がある」と判断した結果であり、SNSにおける情報波及の核心的指標として位置付けております。

フォロワー数(20%):基盤の規模

これまで積み重ねてきた届け先の蓄積です。単独では人口規模との相関が強くなるため、全体に占める重みは抑えております。

これら4要素のすべてを偏差値化したうえで加重平均することで、SNSにおける広報力を多面的に可視化する設計といたしました。

CHAPTER IV · 4-6

4-6 統合偏差値

算式

統合偏差値 = 発信力偏差値 × 0.40
       + 波及力偏差値 × 0.30
       + PR TIMES偏差値 × 0.15
       + SNS偏差値 × 0.15

重み配分の設計思想

40%・30%・15%・15%という重み配分は、自治体広報における「発信の意志」と「届いた結果」を主軸とし、これを補完する2つの軸として配信プラットフォーム活用とSNS到達を加える設計といたしました。

発信力(40%):広報活動の出発点

発信そのものがなければ何も始まりません。本軸には最大の重みを置き、各自治体の発信を尊重しております。

波及力(30%):発信が社会に届いた結果

発信が第三者メディアに報道されることで、より広い社会に届きます。発信力に次ぐ重要性として位置付けております。

PR TIMES(15%):配信プラットフォーム活用

公式サイトとは異なる「届け先」を選択肢として持つ広報設計の柔軟性を測定しております。

SNS(15%):市民との直接的な接点

メディアを介さず、自治体が直接市民と接点を持つチャネルとしての価値を測定しております。

発信と波及(70%)を主軸とし、PR TIMESとSNS(30%)を補完軸として組み合わせることで、現代の自治体広報の多面的な姿を統合的に可視化する設計です。

順位決定

統合偏差値の降順で順位を確定いたしました。

なお、順位は区分(都道府県/政令指定都市)ごとに独立して付与しております。人口規模・行政機能・広報組織体制が大きく異なる両区分を同一順位で比較することは適切でないと判断したためです。都道府県43団体、政令指定都市19団体(参考値・特別参考値・対象外を除く)それぞれの中での相対的な位置として、本ランキングをご覧いただけますと幸いです。

CHAPTER IV · 4-7

4-7 4型分類

4型分類の考え方

統合偏差値は「広報力の総合的な姿」を可視化しますが、同じ統合偏差値であっても、4軸の内訳によって自治体の広報設計は大きく異なります。発信を主軸とする自治体もあれば、波及やSNSを強みとする自治体もあり、現在発展途上の取り組みを進めておられる自治体もあります。

本ランキングでは、この4軸の内訳パターンを4つの型に分類し、各自治体の広報設計の特徴を補助的に可視化する設計といたしました。

4つの型

条件
突出型4軸のうち1軸が偏差値70以上
広報多様化フェーズ4軸のうち1軸が偏差値40未満
バランス型4軸のうち3軸が偏差値55以上
安定型4軸が概ね標準的なレンジに収まる

各型の意味

複数条件に該当する場合

ひとつの自治体が複数の型の条件を満たす場合は、「突出型」を最優先とし、次いで「広報多様化フェーズ」、「バランス型」、「安定型」の順で判定いたしました。すでに結実している強みを最初に可視化したうえで、発展途上の側面を次に示し、最後に総合的なバランスを位置付ける構造としております。

CHAPTER IV · 4-8

4-8 数値の精度に関する補足

精度ポリシーの考え方

本ランキングでは、計算精度・記録精度・表示精度の3段階を使い分け、精密な計算結果と読みやすい表示を両立する設計といたしました。

3段階の精度

計算段階:計算の最大精度

すべての算式は、四捨五入を行わずに最大精度で計算しております。途中段階での丸めによる誤差の累積を避けるためです。

データ記録段階:小数第4位まで

集計の正本となるCSVデータには、小数第4位までの精度で記録しております。後日の検証・再計算を可能にする粒度として、十分な情報量を確保しております。

対外表示段階:小数第2位まで

本書および公表されるリリース文書では、小数第2位までで表示しております。読者にとって自然な精度であり、過度に詳細な数値表記による読みづらさを避ける配慮です。

同順位の取り扱い

統合偏差値が完全に同一となる場合は、内部計算の最大精度で再比較し、なおも同一であれば、各軸の対応実数値(リリース数・投稿数・リポスト数等)の降順で順位を決定いたしました。

本ランキングの集計においては、最大精度での再比較により、すべての自治体に固有の順位を付与することができております。


CHAPTER V
集計プロセス・倫理規範・ご留意事項
PROCESS & ETHICS
集計確定までの軌跡、検算実証、第三者視点による構造レビュー、シオンの倫理規範5項目、そして読者の皆様にご留意いただきたい事項を、本章でお伝えいたします。
PART 05
CHAPTER V · 5-1

5-1 集計プロセスと第三者レビュー

5-1-1 集計確定までの軌跡

本ランキングの集計は、4月上旬から5月上旬にかけて、各自治体の公式サイトと向き合いながら、再集計を重ねて確定いたしました。

自治体公式サイトのHTML構造・日付表記・ページ生成方式は自治体ごとに大きく異なります。67自治体すべてに対してひとつの方式で機械的に処理することは難しく、各自治体ごとに複数の取得方式を試行し、最も適合する方式を個別に確立した上で、複数回の再集計を経てデータを整えてまいりました。

主な作業内容は以下の通りです。

これらの作業はいずれも、各自治体の発信実行を可能なかぎり正確に可視化するためのものです。一度の自動取得で得られた結果ではなく、67自治体一つひとつと向き合った積み重ねの結果として、本ランキングは成立しております。

すべての修正記録は弊社内に保管しております。

5-1-2 検算実証

本ランキングの確定にあたり、以下の検算を実施いたしました。

5-1-3 第三者視点による構造レビュー

本ランキングの集計確定にあたり、弊社内で複数の生成AIサービスを活用した独立並列レビューを実施いたしました。

計算工程の機械的整合性、偏差値分布の妥当性、4型分類条件の構造的整合、本書のドクトリンとの一貫性について確認を行い、レビューを踏まえた最終調整を経て、本ランキングの集計を確定しております。

なお、本ランキングの評価設計および確定プロセスにおいては、PR・広報領域における長年の実務知見を持つ専門家による反復的な検証を経ております。


CHAPTER V · 5-2

5-2 倫理規範5項目

1. データを尊重する。 感覚や印象ではなく、実測データを判断の基盤とする。

2. 全自治体を平等に扱う。 評価基準は事前に確立し、すべての自治体に同一適用する。

3. 設計判断を文書化する。 評価軸・補正・参考値判定すべてを記録し、透明性を確保する。

4. 上位への賞賛にも、下位への敬意にも、偏らない。 すべての順位に、その背景のストーリーがある。

5. 本来の目的を見失わない。 ランキングは話題作りの道具ではなく、対話の起点である。


CHAPTER V · 5-3

5-3 ご留意いただきたい事項

本ランキングは、弊社の現段階の技術力と知見の範囲で、67自治体すべてに対して可能なかぎり正確な可視化を目指して制作いたしました。読者の皆様にご留意いただきたい本ランキングの前提条件を、以下にお示しします。

5-3-1 集計対象の範囲

集計対象は、各自治体本体(県庁・市役所)名義の主要アカウントに限定しております。部署別のアカウント(観光・防災・移住等のテーマ別アカウント)や、関連団体(観光協会・外郭団体等)の発信は、本ランキングでは集計対象外といたしました。

各自治体において、本書で扱いきれていない多様な発信実行があることを、弊社としても認識しております。これらの多層的な発信のあり方をどう本ランキングに取り込むかは、今後の弊社の課題と位置付けております。

5-3-2 偏差値による比較の特性

本ランキングは、対象62自治体を母集団とした偏差値で各軸の数値を表現しております。一般的な偏差値は数千から数万件規模の母集団を想定して用いられますが、67自治体規模では一部の軸において、特定の自治体の数値が大きく現れる場合があります。これは統計的な特性であり、当該自治体の発信実行が他と比較して特別に優位であることを断定するものではありません。

弊社といたしましては、本書の各順位を、絶対的な序列としてではなく、各自治体ご自身の発信設計を構造的に振り返るためのひとつの視座としてお読みいただけますことを願っております。

5-3-3 ご指摘の受付について

本ランキングのデータと、各自治体ご担当者がお持ちのデータに食い違いがある場合、ぜひご指摘いただけますと幸いです。頂戴したご指摘は、次回更新における最大のエビデンスとして、最優先で対応いたします。


CHAPTER VI
各自治体ストーリー
MUNICIPAL STORIES
都道府県TOP10・政令指定都市TOP10の個別解説、本書のデータから浮かび上がる構造についての考察2本、そして本書に明示的に記載することができなかった自治体のご担当者の皆様への向き合いについてお伝えします。
PART 06
CHAPTER VI · 6-1

6-1 都道府県 TOP10 個別解説

本書集計対象となった都道府県上位10自治体について、4軸の数値と編集の過程で確認した発信構造を踏まえた個別解説を掲載いたします。

1位 東京都
統合偏差値 68.25 突出型
発信力
68.18
波及力
71.67
PR TIMES
65.41
SNS
64.44
主要カテゴリ:政策・ニュース発表 / ピーク月:2025-12 / 年間RT:12,226

東京都は本書において、4軸すべての偏差値が60を超えている対象62自治体中で唯一確認された自治体です。首都としての多様な役割を背景に、4軸の発信設計が均等に高水準で揃えられている点で、本書の中でも代表的な一例として位置づけられます。

なかでも波及力偏差値71.67が4軸中最高となっており、全国紙ヒット372件・ビジネスメディアヒット346件は、首都として政策発信が常時報道価値を帯びる構造を物語ります。主要カテゴリ「政策・ニュース発表」は、東京都の発信が「お知らせ」ではなく「政策の公表」として機能していることを示しており、本書の第4部 4-3 のスコア判定で報道価値の高い記事として大量に捕捉されました。SusHi Tech Tokyoグローバルスタートアッププログラムや都民のくらしむき調査など、政策・統計・社会課題を幅広く包含した発信が継続的に展開されています。

SNSフォロワー数969,805人は本書集計範囲における最大規模ですが、リポスト数12,226との関係において、フォロワー基盤の規模に比してリポスト数の伸び余地が読み取れます。これは「規模」と「拡散の深さ」を異なる軸として捉えることで、SNS設計の次の一手が見えてくる構造です。

2位 鳥取県
統合偏差値 61.32 バランス型
発信力
60.66
波及力
63.33
PR TIMES
59.35
SNS
61.01
主要カテゴリ:その他 / ピーク月:2026-03 / 年間RT:19,009

鳥取県は人口最少県でありながら、4つの指標すべてで偏差値59を超えており、本書の中でも4軸均等型の特徴的な発信構造を示しています。全国紙ヒット412件・全国TVヒット401件と、伝統メディアへの到達が人口規模に依存しない水準で実現されています。

主要カテゴリが「その他」となっておりますが、これはユーモアを伴う独自の発信テーマ(鳥取うみなみロード ナショナルサイクルルート、星空保全地域・夜空の明るさ調査、タイから初のインセンティブツアー等)が、既存カテゴリに収まりきらない発信設計の表れとも読み取れます。SNSにおいては年間投稿数2,743件と本書集計範囲における最多であり、発信の継続性が情報の届け先との関係を厚くしています。

人口規模を発信の量と質で乗り越える設計として、本書において特に注目される発信構造の一例です(第6部 6-3「特筆事例」もご参照ください)。

3位 石川県
統合偏差値 60.83 バランス型
発信力
62.62
波及力
55.72
PR TIMES
58.62
SNS
68.48
主要カテゴリ:観光・グルメ / 年間RT:66,867

石川県はSNS偏差値68.48が4軸中最高であり、なかでも年間リポスト数66,867は本書集計範囲における最大値です。投稿数963件に対しリポスト数66,867件という数字は、1投稿あたり約69回の拡散となり、発信1本あたりの社会的注目度の深さが際立っています。

集計期間中、石川県の発信実務の中核を成したのは、能登半島地震(2024年1月発災)からの復興に関わる継続的な情報発信です。「石川県創造的復興プラン」をはじめとする復興施策、金沢城・兼六園のライトアップ、いしかわ里山里海サイクリングルートなど、復興と観光の両軸を統合した発信が継続的に展開されています。波及力では全国TVヒット219件と地方の発信としては高い水準にあり、平時の情報発信の積み重ねが、社会的切実さを伴う情報の信頼性と波及力を支えている構造が読み取れます。

発信1本あたりの届く力の深さにおいて、本書の中でも質的訴求型の発信設計を体現する自治体として位置づけられます。本軸の集計対象には平時の継続的な情報発信と有事における迅速かつ的確な情報発信の双方が含まれており(第4部 4-3 参照)、石川県は両者を統合する発信実務の到達点を示しています(第6部 6-3「特筆事例」もご参照ください)。

4位 大阪府
統合偏差値 59.19 突出型
発信力
61.70
波及力
58.55
PR TIMES
39.73
SNS
73.21
主要カテゴリ:キャラクター・ゆるキャラ / 年間RT:47,969

大阪府はSNS偏差値73.21が4軸中最高であり、いいね数359,079は本書集計範囲における最大値、フォロワー86,142人・リポスト数47,969と、SNSにおける情報循環の規模が際立っています。

主要カテゴリ「キャラクター・ゆるキャラ」は、大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」を起点とする発信が広報カレンダーの中核を成していることの反映と読み取れます。集計期間の前半(2025年4月〜10月)は大阪・関西万博の開催期間と重なっており、関連する発信が広報活動の大きな軸を成していました。万博閉幕後も、経済統計・労働指標・消費者物価指数・医療注意喚起など、府民生活に関わる継続的な発信が観察されています。

PR TIMES偏差値39.73については、本書の判定基準において配信プラットフォーム経由の発信は今後の展開余地として読み取れる構造となっています。SNSを主戦場として住民・全国とつながる発信設計は、本書の中でSNS軸の可能性を鮮やかに体現する代表的な一例として位置づけられます。

5位 福井県
統合偏差値 59.10 突出型
発信力
51.19
波及力
84.25
PR TIMES
43.17
SNS
45.86
主要カテゴリ:イベント・告知 / ピーク月:2025-07 / 年間RT:2,522

福井県は波及力偏差値84.25が4軸中最高であり、これは本書集計範囲における最高水準の数値です。波及力スコア14,199の中で、地方紙ヒット588件・全国紙ヒット424件・地域ウェブメディアヒット1,780件と、伝統メディアおよび地域メディアへの厚いメディアリレーションが、集計期間における発信実務の到達点を示しています。

集計期間中、ふくい応援ポケモン「カイリュー」、いちほまれブランド戦略、恐竜王国福井DINO ACTION AWARDなど、地域固有の資源を起点とした独自の発信テーマが継続的に展開されています。

公式サイトの構造的特性により本書ではAIO/LLMO観測可能性補正係数0.7を適用(生成AIによる情報取得の安定性を考慮した調整。詳細は第4部 4-2 参照)していますが、それでもなお波及力首位を獲得される結果となっており、福井県の発信実務の厚みの大きさが読み取れる構造です。

伝統メディアリレーションを主軸とした発信設計の到達点として、本書の中でも特に注目される波及力構造を成しています(第6部 6-3「特筆事例」もご参照ください)。

6位 静岡県
統合偏差値 58.86 突出型
発信力
46.19
波及力
77.51
PR TIMES
61.49
SNS
52.69
主要カテゴリ:観光・グルメ / ピーク月:2025-12 / 年間RT:17,585

静岡県は波及力偏差値77.51が4軸中最高であり、福井県に次ぐ波及力2位の位置にあります。全国紙ヒット506件は本書集計範囲における上位水準にあり、全国TVヒット305件と合わせ、全国メディアへの厚い到達がみられます。

集計期間中、全国初の取り組み「静岡県歯科医療従事者バンク」、介護支援専門員実態調査、男女共同参画白書など、医療・福祉・教育の制度系発信が手厚く展開されています。主要カテゴリ「観光・グルメ」、ピーク月の2025年12月は、富士山・伊豆・お茶・農産物等の観光資源を年末年始に向けて集中的に発信される広報カレンダーと整合します。

公式サイトの構造的特性によりAIO/LLMO観測可能性補正係数0.7を適用(詳細は第4部 4-2 参照)していますが、伝統メディアへの到達の厚みが本来の発信実務の規模を示しています。観光資源と制度設計の双方を起点とした全国波及型の発信設計を確立されている自治体として、本書の中で特徴的な構造を示しています。

7位 富山県
統合偏差値 58.32 安定型
発信力
61.03
波及力
61.07
PR TIMES
53.21
SNS
50.66
主要カテゴリ:危機・注意喚起 / ピーク月:2026-01 / 年間RT:8,544

富山県は4軸すべてが偏差値50超となり、安定型の発信構造を持たれており、特定の軸への極端な集中ではなく、4軸均等の発信実務が継続されています。波及力では全国TVヒット250件と都道府県中で上位水準にあり、地域ウェブメディアヒット390件と合わせ、全国紙・全国TV等の伝統メディアと地域報道の双方への到達が確認されます。

主要カテゴリ「危機・注意喚起」、ピーク月の2026年1月は、隣接する能登半島での災害発生から続く防災・減災情報の継続的な発信が、広報カレンダーの中核を成していることを示します。高潮浸水想定区域の公表、富山県民経済計算、富山県鉱工業指数など、統計・経済指標と危機注意喚起をバランス良く展開されています。本軸の集計対象には平時の継続的な情報発信と有事における迅速な情報発信の双方が含まれており(第4部 4-3 参照)、富山県の発信実務はその双方を統合する構造となっています。SNSフォロワー58,502人は人口規模に対して厚みのある基盤を構築されています。

地域住民の安全に資する情報を、4軸すべての届け先に均等に展開する発信構造として、本書の中でも安定型の代表的な一例として位置づけられます。

8位 兵庫県
統合偏差値 56.80 広報多様化フェーズ
発信力
59.88
波及力
61.15
PR TIMES
39.73
SNS
56.98
主要カテゴリ:イベント・告知 / ピーク月:2026-01 / 年間RT:23,298

兵庫県は波及力偏差値61.15が4軸中最高であり、観光ポータルヒット680件は本書集計範囲における上位水準にあります。豊かな観光資源(神戸・姫路・淡路・但馬・播磨など多様な地域性)が観光メディアに取り上げられている構造が読み取れます。

集計期間中、神戸マラソン応援プロジェクト、丹波路・駅から周遊観光ツアー、都市計画道路の開通など、観光と地域基盤の発信が継続的に展開されています。同時期には秘密漏えい疑い事案への第三者調査委員会報告など、有事における迅速な情報公開も実施されており(第4部 4-3 参照)、平時と有事の両面をカバーする発信設計が確認できます。

主要カテゴリ「イベント・告知」、ピーク月の2026年1月は、阪神・淡路大震災追悼期の市民への語りかけと、新年度に向けたイベント告知が重なる時期と整合します。PR TIMES偏差値39.73については、本書の判定基準において配信プラットフォーム活用の余地が示唆されており、今後の発信設計の選択肢として読み取れる構造です。

豊かな地域性と多層的な発信を観光メディアを通じて伝える発信構造として、本書の中で特徴的な存在として位置づけられます。

9位 島根県
統合偏差値 56.69 バランス型
発信力
59.18
波及力
58.10
PR TIMES
62.54
SNS
41.40
主要カテゴリ:イベント・告知 / 年間RT:166

島根県はPR TIMES偏差値62.54が4軸中最高であり、配信プラットフォーム活用度において本書集計範囲における上位水準にあります。波及力では全国TVヒット231件・全国紙ヒット227件と、伝統メディアへの厚い到達が確認され、地域ウェブメディアヒット424件と合わせ、4軸中3軸で偏差値55超を確保する安定したバランス型の発信構造を持たれています。

集計期間中、魅力ある観光地域づくり支援事業、連続テレビ小説「ばけばけ」展5万人来場、大雪被災農業者支援など、観光・文化発信と災害対応発信の双方が継続的に展開されています。主要カテゴリ「イベント・告知」は、観光資源と移住情報を含む年間の発信テーマを示しています。

SNS偏差値41.40は4軸中で最も低いですが、これはフォロワー基盤の規模(3,222人)による影響と読み取れ、他軸の充実が本書の中で「全軸の中での補完関係」として示されています。

配信プラットフォームと伝統メディアの両軸を確立されている発信構造として、本書の中でも安定したバランスの一例です。

10位 山口県
統合偏差値 56.35 安定型
発信力
62.20
波及力
58.59
PR TIMES
46.35
SNS
46.28
主要カテゴリ:観光・グルメ / ピーク月:2026-01 / 年間RT:6,198

山口県は発信力偏差値62.20が4軸中最高であり、リリース総数2,391件は本書集計範囲における上位水準にあります。波及力では観光ポータルヒット399件と地域ウェブメディアヒット275件、全国紙ヒット196件・全国TVヒット187件と、新聞・テレビ等の伝統メディアと地域報道の両方への到達が確認されます。

集計期間中、県内2空港の利用状況、賃金・労働時間動向、中小企業の脱炭素経営取組事例集、鉱工業指数など、経済統計・労働指標・教育系の制度発信を中心に、4軸均等の発信実務が継続されています。主要カテゴリ「観光・グルメ」、ピーク月の2026年1月は、年末年始の観光発信が広報カレンダーの中軸を成していることと整合します。

SNS偏差値46.28については、フォロワー基盤(8,603人)の規模による影響と読み取れ、他軸の発信実務の充実が本書の中で示されています。

発信量と観光メディアへの波及を主軸とした安定型の発信構造として、本書の中で特徴的な存在として位置づけられます。

CHAPTER VI · 6-2

6-2 政令指定都市 TOP10 個別解説

本書集計対象となった政令指定都市上位10自治体について、4軸の数値と編集の過程で確認した発信構造を踏まえた個別解説を掲載いたします。

1位 神戸市
統合偏差値 63.16 突出型
発信力
61.45
波及力
63.86
PR TIMES
54.34
SNS
75.17
主要カテゴリ:イベント・告知 / ピーク月:2026-01 / 年間RT:58,223

神戸市は19政令指定都市中の統合首位であり、なかでもSNS偏差値75.17は本書集計範囲(都道府県・政令指定都市すべて)における最高水準の数値です。リポスト数58,223、いいね数330,170の規模は、本書の中でも特に注目される市民との情報循環の厚みです。

集計期間中、ポートアイランド中央緑地軸リニューアル、神戸マラソン上位入賞選手ゴールドコースト派遣、摩耶ロープウェー70周年、神戸電鉄沿線クラウドファンディングなど、港湾・観光資源と市民応援・文化発信の双方が継続的に展開されています。主要カテゴリ「イベント・告知」、ピーク月の2026年1月は、阪神・淡路大震災の追悼・復興記憶の発信と、市民スポーツチーム応援・文化発信が広報カレンダーの中核軸を成していることを示します。

波及力では地域ウェブメディアヒット622件・地方紙ヒット246件と、地域報道との連携が層を成している一方で、PR TIMES偏差値54.34は4軸中で最も控えめです。神戸市は地域メディアとSNSを主戦場とした、市民に直接届く情報循環型の発信設計を確立しており、配信プラットフォームを介した全国波及とは異なる、市民を主役とした発信哲学が読み取れます(第6部 6-3「特筆事例」もご参照ください)。

2位 京都市
統合偏差値 61.64 バランス型
発信力
69.53
波及力
59.21
PR TIMES
55.85
SNS
51.21
主要カテゴリ:イベント・告知 / ピーク月:2025-10 / 年間RT:13,729

京都市は発信力偏差値69.53が4軸中最高であり、これは19政令指定都市中で最も高い数値です。リリース総数2,373件・スコア2-3のリリース1,374件と、発信量と質の両面で政令指定都市の中心軸を成しています。

主要テーマでは観光・インバウンド関連が297件と政令指定都市中で最も多く、文化・芸術関連183件と合わせ、千年の歴史を持つ古都としての発信が中核を成しています。「祇園祭 いま・むかし」「琵琶湖疏水施設の国宝指定」など伝統文化の発信と並行して、「IVS2025公認サイドイベント」「京都国際クリエイターズアワード」など現代クリエイティブ領域の発信が交差する構造が確認でき、伝統と現代の双方を一つの広報カレンダーの中に統合する発信設計を確立しています。

主要カテゴリ「イベント・告知」、ピーク月の2025年10月は、紅葉シーズン直前の観光情報発信が広報カレンダーの中核を成していることを示しています。発信量を起点として、地域メディアと観光メディアを通じた重層的な波及を構築する発信設計は、本書において発信力主導型の代表的な一例として位置づけられます。

3位 北九州市
統合偏差値 59.43 バランス型
発信力
58.83
波及力
60.79
PR TIMES
65.20
SNS
52.56
主要カテゴリ:イベント・告知 / ピーク月:2025-06 / 年間RT:16,019

北九州市はPR TIMES偏差値65.20が4軸中最高であり、これは19政令指定都市中で最も高い数値です。配信プラットフォームを介した発信が政令指定都市の中で最も活発に展開されています。

集計期間中、脱炭素型資源循環事業者認定制度、コンテンツ地方創生拠点 第一弾選定、韓国・清州線 週4往復増便、グローバルAIコミュニティ「AI Salon Kyushu」など、環境・国際路線・コンテンツ・AI等の先端領域の発信と並行して、教育・子育て関連の発信もバランス良く展開されています。

波及力では全国紙ヒット291件・全国TVヒット254件と政令指定都市中で上位水準にあり、地方紙ヒット237件・地域ウェブメディアヒット347件と合わせ、新聞・テレビ等の伝統メディアと地域メディアの双方への厚い到達が確認されます。主要カテゴリ「イベント・告知」、ピーク月の2025年6月は、夏の各種イベント告知が広報カレンダーの一翼を成していることを示しています。

配信プラットフォームと伝統メディアの両軸を高水準で確立されている発信構造として、本書において特徴的な存在として位置づけられます。

4位 横浜市
統合偏差値 57.87 バランス型
発信力
57.17
波及力
55.97
PR TIMES
63.80
SNS
57.62
主要カテゴリ:観光・グルメ / ピーク月:2026-02 / 年間RT:29,782

横浜市は4軸すべてが偏差値55超えとなるバランス型の発信構造を持ち、特定の軸への偏りなく、4軸均等の発信実務が継続されています。SNSフォロワー数161,823人は19政令指定都市中の最大値であり、市民との情報基盤の規模が際立っています。

波及力ではネットワーク配信ヒット331件と政令指定都市中で上位水準にあり、地域ウェブメディアヒット184件と合わせ、地域報道との連携の厚みが確認されます。主要カテゴリ「観光・グルメ」、ピーク月の2026年2月は、年明けの観光情報発信が広報カレンダーの中核を成していることを示しています。また、世界トライアスロン横浜大会の開催や、みなとみらい21の脱炭素先行地域指定など、国際的なスポーツ・環境施策の発信も継続されています。

なお、横浜市公式ウェブサイトは、2025年4月発表の令和7年全国広報コンクール(公益社団法人日本広報協会主催)のウェブサイト都道府県・政令指定都市部において、総務大臣賞・読売新聞社賞を受賞しており、本書の集計期間と重なる時期に、外部の質的分析によっても発信実務の品質が評価されています。

本書の定量分析と質的分析の双方から、4軸均等の発信構造が確認される政令指定都市として、本書において代表的な一例として位置づけられます。

5位 岡山市
統合偏差値 55.36 安定型
発信力
60.29
波及力
52.94
PR TIMES
57.87
SNS
44.55
主要カテゴリ:政策・ニュース発表 / 年間RT:4,489

岡山市は発信力偏差値60.29が4軸中最高であり、リリース総数1,730件は19政令指定都市中で上位水準にあります。波及力では地方TVヒット404件が政令指定都市中で目立つ水準にあり、大手ポータル(記事)ヒット315件・地方紙ヒット250件と合わせ、地域メディアへの厚い到達が確認されます。

集計期間中、宇喜多直家・亀山城跡の観光駐車場整備、パラ・パワーリフティング日本代表強化キャンプ、IoT・AI先端技術導入支援補助金(最大750万円)、全国健康福祉祭(ねんりんピック)開催など、歴史観光・スポーツ振興・先端技術補助の組み合わせを軸とした発信が継続的に展開されています。

主要カテゴリ「政策・ニュース発表」は、市政の意思決定に関する継続的な発信が広報カレンダーの中核を成していることを示しています。SNS偏差値44.55については、現在のSNS基盤の規模による影響と読み取れ、発信力・PR TIMES軸の充実が本書の中で「軸間の補完関係」として示されています。

発信量と地域メディアへの波及を主軸とした安定型の発信構造として、本書の中で特徴的な存在として位置づけられます。

6位 名古屋市
統合偏差値 54.39 安定型
発信力
62.14
波及力
53.45
PR TIMES
44.77
SNS
45.23
主要カテゴリ:イベント・告知 / 年間RT:7,177

名古屋市は発信力偏差値62.14が4軸中最高であり、リリース総数1,994件と19政令指定都市中で上位水準にあります。波及力では地域ウェブメディアヒット289件・地方紙ヒット162件と、地域報道への到達が確認され、全国紙ヒット180件と合わせ、伝統メディアへの届け先も確保されています。

集計期間中、全国学力・学習状況調査結果、景況調査、食中毒警報、個人情報紛失への対応報告など、市民生活と行政運営に関わる発信が継続的に展開されています。本軸の集計対象には平時の継続的な情報発信と有事における迅速な情報発信の双方が含まれており(第4部 4-3 参照)、名古屋市の発信実務はその双方を含む構造となっています。

主要カテゴリ「イベント・告知」は、年間の各種イベント告知が広報の中核を成していることを示します。PR TIMES偏差値44.77・SNS偏差値45.23については、本書の判定基準において配信プラットフォーム・SNS軸の発展余地が示唆されており、今後の発信設計の選択肢として読み取れる構造です。

発信量を主軸として地域メディアとの関係を深めている発信構造として、本書の中で安定型の代表的な一例として位置づけられます。

7位 川崎市
統合偏差値 52.64 安定型
発信力
52.15
波及力
48.49
PR TIMES
62.41
SNS
52.46
主要カテゴリ:イベント・告知 / 年間RT:14,192

川崎市はPR TIMES偏差値62.41が4軸中最高であり、配信プラットフォームを介した発信が政令指定都市中で上位水準にあります。リリース数1,339件・SNSフォロワー52,181人・リポスト数14,192と、4軸全体としてバランスの取れた発信構造を持ちます。

集計期間中、川崎市×筑波大学による自動運転バスデザインコンペ、ごみ排出量 政令指定都市最少、川崎ブレイブサンダース×SDGsプラットフォーム、量子コンピューター技術体験など、自動運転・量子コンピュータ・SDGs等の先端技術領域の発信と、大学・民間との連携を軸とした発信が継続的に展開されています。

波及力ではネットワーク配信ヒット179件・地方紙ヒット157件と地域報道への到達が確認されます。主要カテゴリ「イベント・告知」は、市民向け情報発信の継続性を示しています。波及力偏差値48.49については、配信プラットフォームを介した発信から自然発生する報道波及との関係において、今後の発信設計の選択肢として読み取れる構造です。

配信プラットフォーム活用と先端領域連携を主軸とした安定型の発信構造として、本書の中で特徴的な存在として位置づけられます。

8位 福岡市
統合偏差値 52.04 広報多様化フェーズ
発信力
52.78
波及力
55.78
PR TIMES
39.73
SNS
54.91
主要カテゴリ:イベント・告知 / ピーク月:2026-01 / 年間RT:17,767

福岡市は波及力偏差値55.78が4軸中最高であり、全国TVヒット156件・地方TVヒット99件・地方紙ヒット261件と、新聞・テレビ等の伝統メディアへの厚い到達が確認されます。SNSフォロワー93,930人と19政令指定都市中で上位水準にあり、市民との情報基盤の規模も確保されています。

集計期間中、観光・インバウンド関連の発信が252件と政令指定都市中で最も多く、都市計画道路(粕屋久山線)開通、公共交通不便地対策事業、地下水の指針値超過(PFOS/PFOA)への対応など、観光・都市基盤・環境課題対応の幅広い領域の発信が継続的に展開されています。

主要カテゴリ「イベント・告知」、ピーク月の2026年1月は、年初の各種イベントと新年度に向けた告知が広報カレンダーの中核を成していることを示しています。PR TIMES偏差値39.73については、本書の判定基準において配信プラットフォーム活用の余地が示唆されており、今後の発信設計の選択肢として読み取れる構造です。

伝統メディアへの到達とSNSの届け先を確立している発信構造として、本書の中で代表的な一例として位置づけられます。

9位 さいたま市
統合偏差値 51.52 安定型
発信力
49.05
波及力
49.09
PR TIMES
63.13
SNS
51.35
主要カテゴリ:政策・ニュース発表 / 年間RT:10,778

さいたま市はPR TIMES偏差値63.13が4軸中最高であり、配信プラットフォームを介した発信が19政令指定都市中で上位水準にあります。波及力ではネットワーク配信ヒット262件と政令指定都市中で上位水準にあり、配信プラットフォームを起点とした波及構造が見えています。

集計期間中、日本一長い桜回廊クラウドファンディング第1弾、交通死亡事故多発非常事態宣言など、文化・観光系の話題性ある発信と、有事への対応発信の双方が継続的に展開されています。

主要カテゴリ「政策・ニュース発表」は、市政運営に関する継続的な発信が広報カレンダーの中核を成していることを示します。SNSフォロワー79,894人・リポスト数10,778と、市民との情報基盤も確保されています。

配信プラットフォームを主軸とした政策発信型の安定型構造として、本書の中で特徴的な存在として位置づけられます。

10位 大阪市
統合偏差値 50.60 広報多様化フェーズ
発信力
55.28
波及力
49.18
PR TIMES
39.73
SNS
51.84
主要カテゴリ:イベント・告知 / ピーク月:2025-09 / 年間RT:17,869

大阪市は発信力偏差値55.28が4軸中最高であり、リリース総数1,589件と政令指定都市中で上位水準にあります。波及力では全国紙ヒット325件と政令指定都市中で上位水準にあり、全国メディアへの到達が確認されます。

主要カテゴリ「イベント・告知」、ピーク月の2025年9月は、大阪・関西万博開催期間中の関連イベント発信や、外国企業誘致(O-BIC実績)、ヘルスケアパビリオン来館動向など、国際イベントを軸とした発信が広報カレンダーの一翼を成していたことを示しています。同時期には、淀川区道路陥没事故への対応など、有事における迅速な情報発信も継続されており、本軸の集計対象(第4部 4-3 参照)として等しく反映されています。

PR TIMES偏差値39.73については、本書の判定基準において配信プラットフォーム活用の余地が示唆されており、今後の発信設計の選択肢として読み取れる構造です。発信量と全国メディアへの到達を主軸とした発信構造として、本書の中で代表的な一例として位置づけられます。

CHAPTER VI · 6-3 · EDITORIAL
考察 1

ブランド評価では見えない、
自治体広報の積み重ね

—— 群馬・栃木・茨城

本書の第2部 2-1「印象から実行へ」でお伝えしたとおり、弊社は株式会社ブランド総合研究所「都道府県魅力度ランキング」が17年にわたって築いてこられた、消費者の「印象」を測る評価軸に深い敬意を抱いております。

本書は、その知見の隣に、自治体ご自身の「発信実行」という、もう一つの視座を加える試みです。両者は別の指標であり、互いに別の景色を映す指標であると、弊社は捉えております。

ここで一つ、本書のデータから浮かび上がる、興味深い構造についてお伝えしたく思います。地域ブランド調査2025で比較的厳しい評価となった県のいくつかが、本書のメソドロジーにおいては、それぞれの軸で固有の存在感を示しているのです。

たとえば、群馬県は本書都道府県19位(統合偏差値49.84)であり、4軸(発信力51.86・波及力49.78・PR TIMES42.95・SNS51.44)が比較的均衡した安定型の県として、本書において確認されました。地域ブランド調査2025では36位から42位の区分に位置しておりますが、本書の視点では、発信力・波及力・SNSの3軸が偏差値50前後で揃う、バランス感覚の妙を感じるところです。

栃木県は本書都道府県23位(統合偏差値48.37)であり、発信力51.45・SNS51.88と、発信のスタートと拡散の両端で50を超える広報多様化フェーズの県です。地域ブランド調査2025では群馬県と同じ36位から42位の区分にありますが、本書の視点では、特定の派手な軸に頼らず、発信と波及の両輪で日々の発信を積み重ねている姿が見えてまいります。

茨城県は本書都道府県21位ながら、SNS偏差値61.30と、SNS発信において本書集計範囲の上位を確認できる広報多様化フェーズの県です。地域ブランド調査2025では46位と位置づけられていますが、本書の視点では、SNS発信において、すでに高い到達点に至っていることが見えてまいります。

3県に共通するのは、地域ブランド調査での評価条件とは異なる場所で、それぞれが固有の戦略を選び、発信実務を積み重ねていることです。群馬県は4軸全方位の均衡として、栃木県は発信と波及の両輪として、茨城県はSNSでの厚みとして——それぞれ違う形で、自治体広報の姿を示されています。

なお、念のために申し添えますと、本書が捉えるのは「発信実行」という、自治体ご担当者の手によって日々動かせる領域です。地域ブランド力の評価には、観光資源・歴史文化・地理的特性など、自治体が直接動かしにくい構造要因が大きく関わります。両者は本来、別の時間軸と別のアプローチで積み上がる、別の世界です。

地域ブランド力は、20年近い時間軸で消費者の認識として、ゆっくりと積み上がるものです。一方、自治体広報の発信実務は、1年単位、あるいは1日単位で、ご担当者の手によって積み上げられます。それは戦略の選択・継続の意志・実務の工夫によって、確かに変わる領域です。

弊社が本書を通じてお伝えしたいのは、地域ブランド調査と本書のいずれが正しいかという話ではありません。両者を併せて見ることで、自治体広報の総合的な姿が立体的に見えてくる、ということです。

群馬県の安定感、栃木県の継続性、茨城県のSNS発信——それぞれの県のご担当者が、それぞれの戦略で発信を続けておられる事実が、本書のデータから読み取れます。ブランド評価とは別の場所で、自治体広報という日々の営みは、確かに、それぞれの場所で、誠実に積み重ねられています。

CHAPTER VI · 6-3 · EDITORIAL
考察 2

新しい評価軸で見える、
自治体広報のもう一つの姿

—— 石川・川崎・熊本

本書の第4部 4-3AMECバルセロナ原則 4.0との整合」でお伝えしたとおり、本書はAMECバルセロナ原則4.0に準拠し、AVE(広告換算)を用いない4軸構成での評価を採用しております。

本書は、広告換算という長年の評価方式の隣に、世界的な広報評価のトレンドに即した、もう一つの視座を加える試みです。両者は別の指標であり、互いに別の景色を映す指標であると、弊社は捉えております。

仮に本書の集計対象となった発信実績を、弊社がこれまで広告換算業務において用いてまいりました単価基準で順位付けしてみますと、本書ランキングとは異なる順位が現れる自治体が、いくつか確認されます。

たとえば、石川県は本書都道府県3位(統合偏差値60.83)であり、発信力・波及力・PR TIMES・SNSの4軸がいずれも上位で揃う、バランス型の県として、本書において確認されました。同じ発信実績を弊社の広告換算基準で順位付けいたしますと、本書集計対象43県の中で16位に相当します。本書3位から広告換算16位への、13位の差です。能登復興発信を含めた日々の継続的な発信実務は、媒体掲載の金額換算という単一指標では捕捉しきれない厚みをもって、本書の4軸に反映されているところです。

川崎市は本書政令指定都市7位(統合偏差値52.64)であり、地方紙とネットワーク配信に厚みを持つ安定型の市です。自動運転の社会実装、量子コンピュータ分野での拠点形成など、先端領域を主要テーマとした発信を継続的に展開しておられます。同じ発信実績を弊社の広告換算基準で順位付けいたしますと、19政令指定都市の中で12位に相当します。本書7位から広告換算12位への、5位の差です。先端領域を扱う発信の意義は、媒体掲載の単価という尺度では映りにくい性質を持ちます。

熊本県は本書都道府県36位(統合偏差値40.32)であり、本書ランキングにおいては中下位に位置する県です。一方で、SNS発信や日常の県政情報の継続的な発信を、地道に積み重ねておられる姿が、本書のデータから見えてまいります。同じ発信実績を弊社の広告換算基準で順位付けいたしますと、本書集計対象43県の中で42位に相当します。本書36位から広告換算42位への、6位の差です。自治体ご自身の手による発信実務が、本書の4軸においては、その分の重みをもって反映される構造です。

3つの自治体に共通するのは、評価軸を変えると、自治体広報の見え方も変わるという、ごく自然な構造です。石川県は上位の中で、川崎市は政令指定都市の中で、熊本県は中下位の中で——それぞれ異なる位置から、同じ構造を映し出されています。

なお、念のために申し添えますと、これは広告換算という手法が誤りであるという話ではございません。広告換算は、日本の広報業界において長く活用されてきた手法であり、弊社自身も長年にわたり広告換算業務に従事してまいりました。その実務的な役割を、弊社が否定するものでもございません。

本書が依拠しているAMECバルセロナ原則は、世界の広報実務者たちの継続的な対話の中で、2010年の初版から、第2版・第3版・第4版へと改訂を重ねてまいりました。世界の広報評価が、単一の金額指標から多元的な指標へと軸足を移しつつある——その大きな流れの中で、自治体広報の景色もまた、新しいレンズを通して見えるようになりつつあります。

石川県の上位での厚み、川崎市の先端領域での発信、熊本県の中下位での地道な営み——それぞれの県・市のご担当者が、それぞれの場所で発信を続けておられる事実が、本書のデータから読み取れます。広告換算とは別の評価軸の上で、自治体広報という日々の営みは、確かに、それぞれの位置から、新しい光のもとに映し出されています。

CHAPTER VI · 6-4

6-4 全67自治体のご担当者の皆様へ

本書では、6-1・6-2において都道府県・政令指定都市それぞれの上位10自治体について個別解説を、6-3において社としての見解を申し述べてまいりました。

これらの記述は、紙幅の都合により、本書集計対象となった全67自治体のうちのごく一部に限られております。一方で、本書の集計過程においては、対象となった67自治体すべての発信実務について、それぞれ4軸の偏差値、型分類、主要カテゴリ、年間の反応推移などの固有の発信構造を、編集の過程で確認させていただいております。

本書に明示的に記載することができなかった自治体のご担当者の皆様におかれましても、ご希望をいただけましたら、本書の集計データに基づいた個別の補足説明を、お手元にお届けすることが可能でございます。

ご指摘・ご質問の窓口については、第5部 5-3-3「ご指摘の受付について」、ならびに第7部 7-2「お問い合わせ・訂正受付」にて、すでにご案内のとおりでございます。本書が、自治体広報の現場で日々発信を積み重ねておられるご担当者の皆様との、長く続く一つの起点となることを、弊社一同願っております。


CHAPTER VII
謝辞・お問い合わせ
ACKNOWLEDGMENTS
本書の編集にあたり敬意と感謝を表すべき皆様、お問い合わせ・訂正受付窓口、調査概要を、本章にまとめて掲載いたします。
PART 07
CHAPTER VII · 7-1

7-1 謝辞

本書の編集にあたり、以下の皆様に深く感謝申し上げます。

CHAPTER VII · 7-2

7-2 お問い合わせ・訂正受付

CHAPTER VII · 7-3

7-3 調査概要

項目内容
調査名称全国自治体広報力ランキング 2025年度版【総合説明書】
調査主体株式会社シオン
集計対象期間2025年4月1日 〜 2026年3月31日
調査対象全67自治体(47都道府県及び20政令指定都市)
データソース各自治体公式サイト・PR TIMES・X(旧Twitter)公式アカウント、およびウェブ上の各種報道
評価軸4軸(発信力40%/波及力30%/PR TIMES15%/SNS15%)
補正人口補正、AIO/LLMO観測可能性補正(×0.7、3県適用)
発表日2026年5月21日
国際準拠AMECバルセロナ原則4.0(AVE非使用)

EDITOR'S NOTE 編集後記 A LETTER FROM THE EDITOR

本書を最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

ここからは、本書の編集を担当しました私個人の言葉で、少しだけお話をさせていただきたく存じます。シオン社内で、この章を私が個人名義で記すよう推挙いただきましたことを、まずもって深くお礼申し上げます。

私はPR・広報の現場で、もうすぐ30年を迎えようとしております。27歳の頃に偶然出会ったPR会社の求人がきっかけで、この業界に飛び込みました。

それから今日に至るまで、国内外の数多くのクライアントの広報・PR業務に携わらせていただいてまいりました。日本国内のみならず、海外を含む各地で、さまざまな業界・規模の企業や団体のお仕事をご一緒する中で、日本の広報システムの優れた一面と、まだ私たちが世界から学ぶべき一面の両方を、肌で感じてまいりました。

そうした現場経験を皆様にお伝えする機会として、海外を含む4ヵ国25都市以上で、のべ1,500名を超える方々に、各種講座などでお話をする機会を頂戴してまいりました。

各地の中小企業のご担当者、地方自治体の広報ご担当者、独立して志を持って事業を営まれている方々——その皆様のお話を伺うたびに、私自身が勇気を頂戴してまいりました。

「予算が限られている」「人手も足りない」「東京や大阪と同じ土俵では戦えない」——そうした声を、本当に、何度も伺ってまいりました。一方で、それらの言葉の奥には、いつも「それでも、自分たちの地域のことを、誠実に届けたい」という、静かで強い意志がありました。

本書を編もうと考え始めましたきっかけは、その皆様の顔と声を、いつも私が思い浮かべていたことにあります。

本書は、本書冒頭でも触れたとおり、「印象」を測る既存の評価軸の隣に、「実行」というもう一つの視座を加えてみる試みです。両者は対立するものではなく、補完的な視座と捉えております。

本書の集計対象は、67自治体・年間62,000件超の発信リリースです。これは、PR・広報の実務感覚でいえば、20人規模のチームが1年以上をかけてようやく取り組める分量です。本書は、もはや公共インフラと同じように発展を遂げている生成AIをはじめとする技術——そうした仲間との協働がなければ、存在し得なかった一冊です。

ただし、ここで強く申し上げたいことがあります。それらの技術は「何かをしてくれるもの」ではありません。依存するものでも、ましてや攻略するものでもないと、私は考えます。それらは、私たちが自らの志や排気量を上げていく中で、それを献身的にサポートしてくれる、誠実な仲間です。本書もまた、その姿勢で編まれました。

私たち株式会社シオン、そして私個人は、「日本が世界を救う」と信じています。

しかしそれは、一部の巨大企業の営利によって成し遂げられることではないと、私は考えております。売上の規模では100分の1、1,000分の1、1万分の1かもしれない、しかし正しい志と行動を持つ個人・企業・自治体の力が、5万、10万と結集することで、初めて成し遂げられる——そう信じております。

本書が対象とさせていただきました67自治体は、その結集の、確かな一端を担っておられます。今後も同様の機会を創出できますよう、さらに多くの自治体ご担当者の皆様と、対話を深めてまいりたく存じます。

最後に、感謝を申し上げます。

本書の編集を支えてくださりました株式会社シオンの仲間たち、各種講座などで出会わせていただきましたのべ1,500名を超える皆様、そしてこの30年余り、PR・広報の現場で私と出会ってくださり、何かしらの形でご一緒くださりましたすべての皆様に、心より御礼を申し上げます。皆様から頂戴した一つひとつのお言葉と眼差しが、本書の根底に流れております。

そして、本書を手に取ってくださりました報道関係各位をはじめとする読者の皆様、そして67自治体ご担当者の皆様に、改めて深くお礼申し上げます。本書には、細部における事実関係や数値の解釈において、なお至らぬ点が残されているかもしれません。その一つひとつを真摯に承りながら、これからも自治体広報の現場で日々発信を積み重ねておられるご担当者の皆様との対話を続けてまいりたく、引き続きの機会を頂戴できますことを心より願っております。

私はこれからも、常に朗らかに笑って、精進してまいります。

2026年5月
株式会社シオン 外部パートナー兼監修者
南 大樹
(みなみ もとき)

全国自治体広報力ランキング 2025年度版


発行:株式会社シオン

発行日:2026年5月21日

集計対象期間:2025年4月1日 〜 2026年3月31日


本書の著作権は株式会社シオンに帰属します。

本書の内容を引用される際は、出典を明記いただきますようお願い申し上げます。

無断での複製・転載・再配布は固くお断りいたします。


お問い合わせ・ご指摘・訂正受付:株式会社シオン